セミくん

毎朝坂道を上がる。自転車でキコキコと。
この時期、至る所に路上にセミが転がっている。
もちろん、地上での短い生涯を全うし、力尽きた彼ら。
コロンと転がっている者もいれば、自動車につぶされてクシャッとしている者もいる。

まるでそんなことは見なかったように、仲間のセミたちは、今日もイチョウの木の上で鳴き続ける。
秋が来て、春が来て、また次の夏が来ても、この光景はきっと同じ。来年も再来年も、10年先も20年先も彼らはきっと今日と同じように鳴き続けているのだろう。

セミくん、君たちはいったいどこへ向かっているのだね。
と心の中で投げかける。
そんなに永遠と同じ事の繰り返しをして、鳴き続けて、いったいどこへ向かっている..... Read the rest