Day 2 深夜のインディア

1:30にコルカタの国際空港に着く。ずいぶんとみすぼらしい空港だ。これが約5,000万人もいる大都市の空港とは信じがたい。コルカタに来るのはもう10年ぶり以上で、以前来たときはカルカッタという名前だった。いつの間にか聞き慣れた町の名前すら変わってしまう、さすがインディア。

インド自体は4回目。この国の人々の旅人への接し方はわかっているつもりだし、深夜だけどそこまでは心配していない。ただ、気を引き締めなければいけないのは、事実。タイで辛いモノを食べ過ぎたのか、さっそく腹を下しているのが玉に傷だけど・・・空港のトイレがキレイで、水荒いオンリーじゃなく、ペーパーがついていたのが救いだった。

空港でプリペイドタクシーのチケットを発券してもらった。これは目的地を告げて、あらかじめ料金を払っておくと、これ以上ドライバーに料金を徴収されずに、値段交渉の必要もなければ、ぼられることもないし、後でトラッキングもできてしまうので悪さするドライバーがいないという優れもの。ただ、今思うと、自国の人間を「だます人」と認定しているシステムなわけで、どうなのそれ・・・と思ってしまう。

昔はこんな時間に空港に着いたら空港で夜を明かし、翌日バスなどで町へと向かったものだが、もう大人なのでタクシーに乗ってしまうし、ホテルだってちょっと高くたって良いのだ。とはいっても町まではたったの240ルピー(360円)だった。

マネーベルトにお金とパスポートを入れ、ズボンの中に忍び込ませて空港を出る。外はねっちょりとした湿った空気だ。タクシー運ちゃんや客引きなど、深夜なのに多くの人が声をかけてくる。タクシーを取まとめる管理人のような人にチケットを見せ、今夜のタクシーが決まる。目的地は旅人街のサダルストリート。
タクシーに乗り込むと、なぜか前方にはドライバーを含めて3人の人が乗っていた。やれやれ、インドだ、それも良しとしよう。そのうち一人は途中で降りたけど、もう一人は最後までいた。

空港を背に町を走る。
道路はゴミだらけの野犬だらけ。そしておびただしい数の人が路上で寝ている。
この光景を見てちょっとゲンナリしてしまった。日本にいると、インドの投資がいいとか、BRICSだとか、経済発展がものすごいだとか、そんな発展の良い部分しか聞こえてこない。ただ、実際に来てみると光の部分は色あせて、影の部分ばかりが見えてくる。新車は増えたし、キレイな道路もあるけれど、これじゃあ10年前と何も変わらないじゃないか。インド、おまえはなぜに変化を拒むのだ。

30分ほどでサダルストリートに着く。目的のホテルへと向かったが深夜だからなのかすでに閉まっていた。
通りに止まっていたタクシーの上で、文字通り眠っていたドライバーが起きて教えてくれたのだけれど、すべてのホテルは閉まっているらしい。いくつかのホテルを実際に回ってみるが、確かに門には南京錠がしっかりとかかり、警備員を呼んでみても、ダメだと首を振られるだけだった。3000ルピー(4,500円)くらいのホテルならやってるかもしれないとのことだった。ただ、すでに2:30を回っていたし、明日の朝の飛行機は10:00と早いので7:00にはホテルを出なければいけない。それならと、空港に戻ることにした。

同じドライバーが同じ料金で空港まで連れて行ってくれるというので、座り慣れたスプリングが壊れているような後部座席に再び乗り込んだ。やれやれ、しかも初日からこれだ。汗だくのシャツと熱のこもったズボン。シャワーを浴びたかったなあ。

3:00のインドの街は、場所によっては暗く、場所によっては活気があった。古着のマーケットなのか、道いっぱいに洋服が広がっているようなところがあって、こんな深夜に関わらず大勢の人がいた。途中、ドライバーが車を止め、助手席の連れが車から降りる。ほどなくして「チャイいるか〜」と3人分のミルクティーを買ってきてくれた。飲み終わると、土の色をした薄っぺらい陶器のコップを窓の外に投げ捨てた。クシャッとそれが割れる音がする。文字通り土に還るわけだけど、この文化も変わらないね。効率性、という観点からはどうかと思うけど、インドだしいいのだよ、きっと。

ドライバー達も暇なのか、僕をだしに売春婦が並ぶ界隈へと寄ったみたいで、通りに立つ女性達を冷やかしながら、そして僕に「ジギジギするか?」とこれまたからかいながら、のんびりと空港へと向かうのであった。

空港に着いたのは4時近く。もうすぐ朝だなと思いながら、約束通りの250ルピーを支払い、エアコンの効いた待合室に入ると、バックパックを枕に冷たいベンチに横になった。

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