針江のかばた

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水のある町が好きだ。
今のところ、水の町で思い浮かべるのは岐阜の郡上八幡。

一昨年つくっていた『みずものがたり』という書籍で、この針江を取り上げた。敬愛する今森光彦さんの記事だった。
今森さんは、すばらしい里山の写真をいくつも撮っていて、それは結構彼が住んでいる滋賀のものが多いらしく。常日頃、滋賀はたいそうポテンシャルを秘めてるなあと思っていた。
そこで、この記事。
いつか行こうと思っていた。
そして来た。

皮肉にも、今森さんが2004年に撮ったNHKの針江の特番のおかげで、すっかり有名になってしまったらしく、そのとき以来観光地でもないのに、大勢の人が大挙するようになったのだとか。
生活と密着してた「かばた」にも見知らぬ人が土足でどかどか入る始末。危機を感じた地元の人が、ガイドの協会みたいなものを立ち上げ、有志でガイドを始めて今に至る。
ガイドツアーは8,000名に実施したという。
今回はこれに参加した。1人1,000円で1時間半。
10:30 / 13:00 / 15:00 と一日三回実施されている。
先々週に「素敵な宇宙船地球号」で放送されてしまったらしく、結構な人が参加していた。

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針江地区は、生水の郷と呼ばれ、至る所に水路がある素敵なところ。
小さい水路が集合して、中規模の川になり、その「針江大川」が地域の中心を流れている。比良山系のわき水が川の水の7割を占め、水温は一年中16℃〜17℃。

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梅花藻の群生地帯で、水はすこぶる綺麗。鯉が5月〜6月は産卵に琵琶湖から上がり、その後、鮎も鱒も来る。
50年前に稲を筏で運んでいたと言われる水路は、今ではもっぱら地元の子どもたちの遊び場だ。

この地域で家庭から湧き出ている水は107箇所。
主に鉄管を20mくらい地中に埋め込み、そこから13℃の地下水が湧き上がっているのだ。

その水を家庭で利用して来たのが「かばた」と言われる場所。
「かばた」には2種類あって、「外かばた」と「内かばた」がある。用途としては一緒だけど、玄関の外にあるのか、中にあるのか、その違いだ。

今でも、結構な家庭で、その「かばた」が現役で利用されているのが、この地区のすごいところなのだと思う。

以下にいろんな「かばた」を紹介しよう。

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Aさんのかばた。これがいわゆる「外かばた」

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鉄管があるところが「もと池」、次が「つぼ池」、ここで野菜を冷やしたりする。そして最後に「はた池」。ここでは鯉を飼っている。

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ちょっと驚いたのが、鯉を飼っているということ。
水路で町中が繋がっているから、鯉や魚は出入り自由かと思っていたら、自分の家の鯉は自分の家の鯉で、逃げられないように、外からも入ってこれないようになっている。
この鯉がすばらしいシステムで、残飯やカレーの鍋でもこの「はた池」に入れておくとすっかり綺麗にしてくれるのだという。
鯉が浄化システムとなり、水を汚さない仕組みになっているのだ。

一年中水温が同じで、地下水で低いため、夏はかばた自体がひんやりとしているのだそう。だから、今では冷蔵庫にしまう「ぬか床」もここにおいてある家が多いとのこと。

Bさんの「かばた」。こちらも「外かばた」。

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Cさんの「かばた」。
これは「内かばた」。
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野菜が冷やしてありました。

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Dさんの「かばた」。これも「内かばた」。
手入れが行き届いていて非常にきれい。

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外でも野菜が冷やしたありました。

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家の外壁は、焼いた杉板のところが多いのだけど。炭と一緒で除湿効果があるので、水が多くて湿気たところには最適な昔ながらの知恵だという。
値段は普通の建材の3倍するとも言われていたが、100年くらい持つとの話。

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針江は昔ながらの知恵が根付く、よき日本が残るところだった。

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