Road to Roraima #02 恐怖シティー・カラカス

Google でベネズエラといれて最初に出る候補が治安(その次は美人と国旗が続く)である。殺人事件は年間1万5千件、国民3000万人に対し出回っている拳銃は1700万丁。特にカラカスと空港が危険レベル2。空港が危険ってどんなギャグだよと思ってしまうんだが、同行するテラが調べまくってきて、飛行機でいろいろ聞かされて不安が伝播した。タクシー乗るとドライバーが銃持ってて襲われることもあるとか、安全と言われてる大使館地区でも人が殺されたりとか、バス停が危なすぎてタクシーも行ってくれないとか。とにかく毎月600件とか殺人事件が起こってるのでテロとか紛争地帯かよって感じ。ファイナンシャルタイムに世界で一番治安が悪い都市と書かれ、友人の協力隊員に帰国命令が出てしまうというひどさっぷり。それでも大丈夫であろうと行くことにしたのだが、ニューヨークの空港でお金をカバンや靴の下などに分散した。

  
そういえば成田のアメリカン航空の職員にも脅され、カラカス行きの飛行機で現地人にも「危ないよ、冗談じゃないんだよ、悪いんだけどさ」と言われたのだった。
そんなわけで2時間遅れで14:00にカラカスに着く頃にはかなりのビビリモード。いざゲートを出るとさっそく制服のおっさんに捕まる。「どこに行きたいんだ?」「プエルトオルダスだよ」と僕。それならこっちだよ、国内線は歩いて5分の外なんだと彼。国際線から国内線の移動の最中にも襲われるとも書かれてたので、そんなに悪人じゃなさそうだし制服着てるし、ついてったほうが安全かもなと思ってついて行くことに。「両替はしたのか?」と彼。それが目的なのかもなと思いながらついて行く。

ベネズエラでは経済が崩壊に向かっていてデフォルト寸前。インフレがひどく闇両替が存在する。公式には1ドル200ボリだが闇では最高800なのだった。

国内線空港に着くとお目当の飛行機はない。クリスマスだから本数が少ないとのことだった。友人が手配してくれたチケットは明日の17:30、時間を効率的に使いたかったのもあったし、カラカスに滞在したくなかったのですぐに移動したかったというのが大きい。

じゃあ夜行バスか。なんにしてもお金が必要なので国際線に戻りいろいろ聞いて700ボリで替えてくれる人を見つけ200ドルほど替えた。

  
制服の人はポーターで、彼らが両替マーケットも担っていた。タクシーはオフィシャルタクシーを前払いで固定レートで払ってから乗るようにとあったのだが、みんなグルになっていて固定レートはない。そこは諦めて9ドルくらい払って新市街の安全なバスターミナル、フラミンゴへと向かった。
ダウンロードしてきたオフライン用のグーグルマップを見ながら進路を確認する。旅のスタイルが変わったよなぁと思う。

空港から町までは30キロ、山を越えるとビルが並ぶカラカスの町へ。斜面に立つ街はカラフルで可愛らしかった。高速道路の上をゴンドラがなぜか通っていたのが印象的。道はスムーズで渋滞もなく40分ほどでバス停に着いた。予想と違ってガラーンとしてて、ゲートも閉まっている。聞くとクリスマスで3日間休みらしい。すなわちこの時点で恐怖のカラカス滞在決定。なんとかガイドブックに載っていた宿まで乗せてもらったのだが、満室だった。タクシーは行ってしまい、でかいバックパックを担いだまま宿を探すことに。久しぶりに焦るぜ。すぐ近くのホテル・アルタミラ(2人で800円)が空いていたので鉄格子の中に入り一安心。オフィスも宿もレストランも鉄格子の中。治安の悪さが容易に想像できる。
  
暗くなる前にと食事に出かける。ヒヤヒヤしながら歩いたけれど、クリスマスイブのセントロの街は女性も子どももいるし、恐怖情報さえインプットされなければいたって平和に感じた。ケニアのナイロビやモンバサ、ケープタウンの方がよっぽど怖かったな。
でも油断は禁物なのでケバブの夕ご飯を食べ早々に宿に戻った。
夜、銃声なのか爆竹なのか、クリスマスイブのはしゃいだ花火なのか、何はともあれ軽い爆発音みたいな音を明け方まで聞きながら浅い眠りについた。

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