Road to Roraima #03 8時間耐久カラカス空港

朝5:00、ホテルへ頼んでいたタクシーが迎えに来てカラカスの空港へと向かう。
目的はいずれにせよギアナ高地なので、出来る限りその他の場所の滞在は少なくしておきたい。17:30の飛行機は買ってあったのだけれど、午前中の飛行機に乗れ、今日中にトレイルヘッドの街であるサンタエレナに移動できるのが一番良いのだ。どこの旅行者に聞いいても、ネットで見ても17:00前の便は取れなそうだったけれど、カラカスにいてもやることがない。先述したように、危なすぎるからだ。見どころがある旧市街は犯罪の温床で現地に住む人でも近づかない。するとやれることは空港に行ってキャンセル待ちをすることだけなような気がした。別に5:00に行くことはないかもしれないけれど、7:00に行って後悔したくはない、そんな感覚である。

渋滞もなくあっという間に30分くらいで空港についてしまった。料金は5ドル。
空港には行列ができていたが、我々の目指す目的地ではない。しかしシステムが全くわからない。電光掲示板やアナログの掲示板はあるのだが、表示されている内容が異なる。そして後から分かったのだがどちらも間違っている模様。掲示板の通りにカウンターにいってもカウンターはあく気配はない。じつはほとんどの飛行機は昨日から数日間クリスマスでお休みとなっているとの事だった(今日はクリスマスで、昨日はイブ)。ルタカのターミナルとアエロポスタルのターミナルが離れているのだが、一方に列に並んでもらってもう一方がいろいろ探す。そんなことをしながら時間がダラダラと過ぎていった。
長い拳銃を構えた兵隊に絡まれることが数度あった。こちらに寄ってきてスペイン語で問題があるから外に出ろ、と言い寄ってきた。銃を持っているだけにかなり怖い。外に出たらやられてしまうかもと、ごまかしながら断固拒否。するともう2人引き連れて来て、お前らは何をしているんだ、みたいな言いがかりをつけてきてチケットを見せろ、と言われた。幸い夕方のチケットを持っていたので見せると、連行する理由がなくなってしまって諦めてくれたが、連れて行かれた後を想像するとぞっとした。

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空港に長時間いすぎて、並んでいる人が同士のようになってきた。カナダから来たベネズエラに実家があるファミリーは午後の飛行機だというのにカラカスは危ないから行かないで空港で過ごしていると順番で荷物を守っていた。3名のオカマちゃんは我々と目的地が一緒で、お互いにあそこの航空会社が何時に飛びそう、でもダメだった、みたいな感じで仲良くなっていった。
怪しいダフ屋も寄ってきた。手数料を払えばチケットを取ってくれるという。取れるもんなら取ってみてよ、とお任せしたらカウンターの女性にコーヒーを奢って本当に午前のチケットを一枚取ってきた。嘘だろ、と思ったが本当だった。お金で解決できるならしてしまいたい!なぜならサラリーマンなんでタイムイズマネーもいいところである。しかも国内線で500km以上飛ぶのに闇両替パワーで運賃は10ドル、はらう手数料もせいぜい10ドルである。しかし、ダフ屋さんも二枚目がどうしても取れないらしく、午前の飛行機はなくなってしまった。その後も他のカウンターで並んでは敗退し、もうオリジナルの夕方まで飛べないかと思っていた矢先、ダフ屋が2枚チケットを取ってくれ、「あと15分だぞ、急げ!」という展開になった。荷物を預けるも信じがたく。セキュリティーチェックの目の前でダフ屋にチケット代と手数料を払い、飛行機に飛び乗った。
飛行機は14:00に離陸し、カラカスを無事抜けられて事実に胸をなでおろしながら、今日の一連の珍道中がおかしくなってしまった。空港に結局8時間以上いた。そしてキャンセル待ちをする、という今日の行動は結果的に無駄ではなかったのだ。オカマちゃんも同じ飛行機に乗れていたのには笑ってしまった。

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プエルト・オルダスの空港はカラカスよりよっぽど賑やかだった。この国に来て初めてツーリストらしき人々を沢山見た気がする。さっそくバス停に行きサンタエレナ行きのバスを探すことにした。やはりクリスマスだかららしく、すべては閉まっていた。それなら白タクでと交渉して一度は交渉がまとまり100ドルで行ってくれるように思えたのだが、車に乗って出発してから料金でもめ、引き返すことに。社会主義の影響なのか、みんなに商売っけがなく、交渉がうまくまとまらない。今日はガソリンスタンドがすべて閉まっているから明日なら100ドルで行けると言われた。まあ、20ドルケチってもタイムイズマネー理論的には仕方ないのだけれど、最速で進んだとしてもサンタエレナにつくのは午前1:00。検問などがあるグランサバナと呼ばれる道路を走るのは夜中。疲れ果てて明日からハイスピードで歩けるのかはわからない。ここは一呼吸置くのが無難だなと、出発をやめることにした。

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するとバス停にいたアレハンドロという英語を話せる青年が友人を紹介してくれるとなった。彼の友人なら100ドルで快く行ってくれるし、彼の彼女が車でもうすぐ来るから今日のホテルも連れて行ってあげると。いい人の雰囲気が溢れ出ていたのでその提案に乗ることにして、5スターのビニャールホテルに送ってもらった。ホテルはインターコンチネンタルが撤退した後の国営リニューアルホテルらしく、建物は立派、サービスはいまいち、価格は普通なら割高だろうけれど闇パワーで一人18ドルであった。

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ロケーションは最高でオリノコ川の支流のカロニ川の夕焼けとラビョリスタの滝が見えた。川岸まで降りてみると水は生ぬるかった。バーで40円のビールを注文し、川を眺めながら飲む。思えば本当に遠くまで来たものだ。もう日本を出てから3日くらい経つのにまだ目的地に到達できてない。つくづく遠いな、そしてそれが本当におかしいな、と心のなかで笑ってしまった。

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