仙元山トレイルクラブ

近所の山を毎週走るようになって一年が経ったので、節目として記憶をたどり、記録しておくことにした。

昨年、2017年の9月に8日間で5回仙元山に足を運ぶことがあった。トレイルランだったり、子どもたちとの登山だったり、友人と一緒に来たり。自宅から10分で登山口につくこの身近な山は、なんていい場所なんだと改めて認識した。ある夕方に走っている際に、ふと「せっかくだからここを毎週走ったら面白いんじゃないか。四季の変化を感じられそうだし、引っ越して半年が経つのに地方に行ったり海外に行ったり、ここに住む利点を活かしきれていないんじゃないか」と思ったのだった。

走りながら仙元山トレイルクラブっていい名前だなとふと思った。仙元山という字面がいい、そしてカタカナとの相性もいい。活動をランニングに限定したいわけでもないからトレイルランニングクラブではない。仙元山のトレイルにまつわるすべてを内包できれば、ランニングでもハイキングでも、子どもたちとの遊びでもいい。結構いいネーミングじゃないかなと思って帰ってgoogleで調べてみると、そんなクラブは何もヒットしなかった。

一緒に毎週走ってくれる仲間が欲しかった。一人でも毎週走ろうと思ったけれど、誰かいたらもっと良かった。
ちょうどさとなおラボで学習が終わったのもあり、コミュニティづくりというものに興味があった。どのように広がっていくかを実験してみたいというよこしまな思いもあった。ラボで習ったマーク・グラノヴェッター のSWT理論(Strong/Weak Ties)、強い絆と弱い絆。社外に弱い絆を持つことはとても大事であるということ、というのにもちょっと惹かれた。仕事柄ソーシャルメディアを担当してるので、FBなどの良い実験の場にもなりそうだった。

コースは累積標高350m+の6.5kmでちょうど一時間位。5:30に初めて6:30に終われば都会に通う人も来られるのではないかと思ったのだった。参考にしたのはHEARBカップのコースだったけれど、真名瀬に降りて、海を見て最後は海岸を走るようにカスタマイズ。1時間のコースとしては様々な景色のバリエーションに富んでいて申し分ないなと思ったのだった。

まずはFBでイベントページを作って、竹さんを誘った。同僚のウッチーも誘って、5:30スタートにした。初回は3人のスタートだった。FBの投稿には#仙元山トレイルクラブとつけて、竹さんはインスタグラムに投稿した。

2回目も竹さんを誘うと、その後常連となるWadawadaさんを連れてきた。ウッチーは来なくなりこれまた3人だった。3回目はFBとインスタグラムで発信しているだけなのに茅ヶ崎からも友人が来て6人になった。10月だからかどんどん暗くなる・・・いつスタートの時間を変えたのか覚えていないけれど、いわゆる6:30に終わらなければいけない人が来なかったので、6:00スタートで大丈夫だねと遅いスタートとなった。

インスタグラムでハッシュタグを作ったり、FBのイベントページを作っているためか、「仙元山トレイルクラブ」という謎の朝ランがあるらしい、と逗子の狭いランニング界隈でちょっと話題になり始めた。ムギコというラーメン屋でランニングクラブの方々と遭遇したときに「最近仙元山トレイルクラブってのを聞くことがあるんだけどなんなんだろう?」と話しているのを聞き、くすっとしたものである。

冬になると出張が入って不在が増えたけれど、勝手知ったる竹さんかWadawadaのいずれかは顕在で必ず6:00に集まって走ってくれた。すでにコミュニティが自走し始めた。母体となるショップも団体すらないのに。

毎週の人数は最小で3人、最大でも6-7人がいいところ。冬は寒くて暗くて布団から出るのが億劫だったけれど、それでもトレイルの景色から見る朝焼けが心を癒やしてくれた。毎週同じ時間に同じ場所を走っているためか、日の出の時間が変わり続けるというこの季節はトレイルの景色が毎週変わる。一週前はA地点で日の出なのに、今週はB地点、来週はC地点といった具合だ。また、朝に仕事も関係なく利害関係もない、ある意味弱い絆の人と話すのは仕事やプライベートの嫌なことも癒す効果を持っていたし、いろいろな人の話を聞けるのは新鮮な時間だった。どんなときでも走ったあとに後悔する日はなかった。その弱かった絆は人によっては強い絆へと変わりつつあったりもする。

暖かくなると合流する人が徐々に増えてきて、人数は毎回二桁以上に。地域のレジェンドが来たり、東京から仕事仲間が駆けつけてくれたり、大阪や京都、九州からもゲストが来て毎週のように変化や出会いがあった。最大人数は19名。自分がいようがいまいが、必ず誰かが水曜日の6:00から走っている。もう自分は必要ないとも言える。

毎週人が集まるコミュニティとなれたのはなぜだろうか。考察するに、

  • そもそもランナーが多い地域だった
  • すでにランニングコミュニティが複数存在し、そこから来る人が多く顔見知りも多く、一見感があまりない = 来やすい
  • 小さい地域で知り合いの知り合いは知り合い、という街の規模感
  • コースと時間が毎回同じなので、一度くると次からのハードルが下がる
  • 母体となる団体がないためか、毎週参加しなければいけない感がない
  • 途中離脱も途中参加も自由
  • ソーシャルメディアが有機的に機能した

「10年以上前に石川弘樹がこの地に蒔いた種が実ったね」とは竹さん談。的を得てるな、と思った。

また寒くて暗い冬が来る。
でもそれは朝焼けと富士山がきれいな季節でもある。
これからは一週たりとも同じ景色が続かないのと同様に、走り始めてから一年たった昨年とどのようなコミュニティの変化が起こるのか、その部分もちょっと楽しみである。

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