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NOTE

イギリスのチャーチルをもってして「アフリカの真珠」とまで言わしめた国、ウガンダ。この国の第二峰である、エルゴン山を登った。
この国の自然は長い内戦によって壊滅的に破壊されてしまったと、いつか聞いたことがある。しかし、その自然も内戦の終結によって、部分的に戻ってきており、政情の安定によりツーリストも再びこの国を訪れるようになってきた。

このエルゴン山は読みの流れがよい4321mである。ケニアとウガンダの国境に跨り、最高峰はウガンダ側にある。
この山の住民はコロコロと変わってきた。遥か昔にはマサイの人々が暮らし、80年代には反政府軍や武装団のねぐら、そして今はバッファローやアンテロープを追う密猟者が潜んでいるのだ。
とはいってもここは今では国立公園、観光を重要な外貨資源と見る、新ウガンダ政府は登山者の来訪を歓迎している。
今回はエチオピアのシミエンに続き、銃をもったスコートを雇うことが義務付けられた。

1日目は小さな村の中を通る6時間のコース。標高を1800m上げた。今日は日曜日、小さな村にも教会がちゃんとあって、村人が集まっていた。ウガンダはキリスト教徒が多い。この山には観光客があまり来ていないのか、村人も子どももとってもフレンドリー。「マネーマネー」といわれることはない。
相変わらず子どもの「ムズング、ハアユー?」(白人こんにちは)というかけ声がかわいくてしょうがない。手を振ってくる子どもも、遠くからは平気なのに、いざ近づくと「マンマー」と泣いて逃げていく。その姿もまたかわいい。

とある村で、バーに村人が集まって中央に置いてある土製の壷から2mはあるストローで雑談をしながら何かを飲んでいる異様な光景に出くわす。一つの壷からストローが10本くらい出ていて、みんなでチューチューしてるのだ。ウェイター(?)らしき人が中身を頻繁に補充しにくる。聞くと、トウモロコシから作ったローカルなお酒だという。名称は「ウサラ」といった。

アブが冗談抜きで100匹以上たかってくる「アブの林」を抜け、森の中でキャンプ。

2日目
キャンプ場の間隔のせいで、今日は2時間半歩いて終了。
残念ながら、エルゴン山がすばらしいとは思えない。なぜならあたり一面焼け野原。遠くの方では煙が黙々とあがっていた。「密猟者」が火を付けているという。そのためにレンジャー小屋というのがあって銃を持ったレンジャーが7人見回りをしているらしいが、見る限り効果なし。

3日目
頂上へと向かう。
途中、前を歩いているガイドのマーティンが急に止まり、「密猟者がこの辺に潜んでいる」と言った。なんでわかるのかと聞くと、向こうからきた足跡がここで急に消えたと言う。僕たちを見て逃げたらしい。
すごい洞察力だ!
エチオピアのシミエン国立公園でも銃を持ったスコートが義務付けられていたけど、そのとき公園事務所になんで?って聞くと
「危ないというわけではなくて、それはアフリカの山だから」
と言われて妙に納得した覚えがある。そこは平和そのもので、スコートのアブラハムも陽気で銃なんて飾りみたいだった。
しかし、ここはつい最近まで武装団もいたウガンダの山。
昨日も、不法に伐採された木々を見つけると、「違法に山に入っている奴がいる」と呟いたマーティンはその手に持ったAK−47に弾を装填した。
「ジャキーン!!」
銃を持った人間との登山は決して喜ばしいものではないが、今回ばかりは頼もしい存在である。

頂上までの風景はまるでシミエン国立公園のそれと似ていた。巨大なグラウンドセルという木々が無数に聳え立っている。この植生はケニア山やキリマンジャロとかなり類似していて、感動うすかった。
エルゴン山は火山である。外輪山に登ると、その眼下には世界で二番目に大きいという火口を拝む事ができる。

4321mの頂上に上りその大きなクレーターを眺めた。


今ウガンダは雨季。毎日の雨も覚悟していたのに、地球規模の異常気象はここにも影を落とし、5日間まったく雨に降られることがなかった。

4・5日目
下山に費やした2日間「なるほど、世界で2番に大きいクレーターだ」と実感させられた。この山の裾野はキリマンジャロのそれよりも大きいという。
再度火口まで登り、ウガンダ一美しいと言われる「シピ滝」を目指して北西に下った。4日目の行程は9時間。最初の5時間、全く休まなかったのでいささか疲れた。
この日は、いまだ奥行きが解明されてないという「Titum Cave」でキャンプ。入り口は大きな空洞となっており、なかなかユニークなキャンプ場だなあと感激したら、夜は散々であった。

コウモリの声がうるさすぎて寝られないのである。

翌日シピ滝を眺める。
「ん、ん、どこどこ?」
ここでも水不足、滝からは水がチョピチョピ。シピ滝じゃなくちょぴ滝と名づけよう。

公園のゲートでレンジャーとお別れした。なかなか広大な山塊であった。世界第2位の大きさを、足で実感できる山だった。

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DATA

Date
2003.4.6/10

Route
Sasa-Sipi traverrse
最もメジャーなsasaルートから最高峰wagagai peak(4321m)へ登頂し、下りはウガンダで最も美しいといわれるsipi滝へと下るsipi trail。

Access
gate cityのMbaleはケニアのナイロビから夜行バスもあり、トレッキングのスタート地点BdadiriへはMbaleからミニバスかタクシー。タクシーのほうがベターで料金は約1,000円、40分。

Acomondation
Mbaleなら安心して荷物が預5けられるMt.Elgon Viewがよい。1泊800円〜1,000円。

Cost
エントランス・キャンプ・ガイド込みで125ドル。ポーターは1人15kgまでで約4ドル。 ガイドは1グループ5人までが同じガイド。

Map
ガイドがいるから大丈夫。いわゆるトレッキングマップは手に入らなかったと思う。

Infomation
visit uganda .com

 

 

 
 
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