2004/6/10

埼玉という半端な場所に住んでいた僕は、昔から都内に出ることを「東京に行く」と言って、東京住まいの友人に馬鹿にされた。
久しぶりに静岡から実家の埼玉へと帰った。家は埼玉なのに、感覚的には「東京に帰る」って感じだった。変なの・・
2ヶ月ぶりくらいに電車に乗った。しかもビュンビュン新幹線。ぼんや~りと窓の外を眺めた。本を読むわけでもなく、ただぼわーっといろんなことが浮かんできて、旅ってやっぱいいなあって思った。
そのまま、ぼんや~りと次第に増えてくる人口の建造物とネオンを眺め続けた。あれだけ田舎に住みたかった自分。長旅から帰ってきた直後は東京の乱立するマンションや狭い路地に異常なまでの嫌悪感を示していたのに、なぜだろう、電車から見えた明かりのついたマンションの一室に家庭の暖かさみたいなものを感じてしまった。22時、人気のなくなった神田の路地を歩くと、そこにも誰もいないのに妙な懐かしさがあるのだった。昼間の誰かが気配を置いていったかのような。
「東京になんて絶対に住みたくない」って思っていたのに、まあそこまで悪くないかあ。うん、悪くない。
夜になるとゲコゲコとカエルの声しか聞こえないで、人の気配なんてめったに感じない静岡の我が家。もちろんそんな生活も好きだけど、東京にも東京なりの良さがあるんだな。

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