ヒマラヤへ

2019年も終わりに近くなり、今年は息子(ハル)との二人旅ができてないことに気づく。夏のスペインへの旅は家族4人だったし、秋に2人でと予定していた山旅はことごとく台風と雨でキャンセルに。
年末年始に仕事が猛烈に忙しくなる予定が、プロジェクトのロンチ日がずれ、後ろ倒しになったので少し時間の余裕ができるかと分かったのは一ヶ月前。どこか行けるかもな、と考えはじめた。

タイの島、ミクロネシア、マレー半島、いろいろ候補を考えたけれど、あと一か所しか行けなかったらどこに行くだろうか、人生もう短いし、という最近の思考回路で考えて、それならいつかじゃなく、今こそヒマラヤへ、と思ったのだった。

調べると中国経由ならこんな直前でもチケットが安い。しかし上海での長いトランジット付きだ。でも旅なんて家を出た瞬間から始まってて、移動中だろうがトランジットだろうが、旅なのだ。ならば上海に寄れちゃうなんてむしろラッキーと思うべきと考えた。

出発まではとにかくいろいろと忙しくて、旅のことが調べられない。ポカラ近辺の里山をのんびりと、プーンヒルでも行ければ御の字かな。そんな行き当たりばったり的に、たいして準備をしないで出国したもんだから痛い目にあうことになった。

中国上海の宿は前日に予約。kindleに無料だった『るるぶ』をぶち込む。羽田のWi-FiでBaidu系のアプリをダウンロード。とりあえず幾ばくかのドルを保険的に両替したけど、多分ATMでなんとかなるだろう。SIMは手配してる時間がなく、時計を忘れたことに家を出てから気がついた。

落ちたらどうしようか、と恐れていた中国東方航空は、羽田からの出発便をもち、JALとコードシェアしてるだけあって予想より遥かに快適だった。中国だからクオリティが低いと思ってしまうのはもはや間違いなのかもな(とはいっても夏に乗ったエアチャイナは酷かったケド)

上海虹橋空港につき、スルッとカスタムを抜け、ATMで無事現金を下ろし、市内へは地下鉄で。なんでも日本と比べてしまうのだが、色々なもののクオリティは日本とほぼ変わらない気がした。でもここは大陸で、何もかもがどでかい分、細かなところにも(時にどうでもいい細部にも)手が行き届いている日本とは違う大雑把さがある。

キャッシュレス社会だから、現金が使えないのではと恐れていたけどそんなことはなく、地下鉄でもレストランでもコンビニでも普通に使えた。そしてせっかくインストールして入金までしていったAli PayはSIMなしだと機能しなかった。Wi-Fiではダメらしい。

Google Mapは使い物にならず、Baidu Mapも漢字だからまったく分からず、ほど良かったのがApple のMap。これに救われホテルまでたどり着けた。

ホテルの周りはなぜか羊肉料理屋ばかりで、短期滞在的にはそそられず、南京東路まで歩く。雨で人通りは少なかったけど、きらびやかだった〜。

日本だと21:00を回っているため、ハルの機嫌がことさら悪い、しまった・・・
適当な中華に入り、ラーメンやらワンタンやらいくつかオーダーしてみるも味はイマイチで、そうこうしてる間にハルは椅子で寝てしまった。本場でもイマイチな中華料理屋なんてあるんだなぁ。

地下越は格安だったけれど、レストランやコンビニやホテルの値段は日本より少し安い程度だ。そのうち追い抜かれる日がやってくる。今後の日本はアジアの各国や欧米より物価が安くなり、快適なのに超安くて旅がしやすいタイやスペインみたいなポジションになってくんだろうなぁ。

ハルにとっては10カ国目の外国なのに、外国に来たとか、中国にいるとか、そういう反応がほぼないのが寂しいところ。アジアだからなのか、子どもだからなのか、彼だからなのか、国家というものや国の違いがわからず、日本の地方の延長線上なんだろうか。

翌日はさらに昆明で乗り換え。国内線なのでそのまま外へ。巨大な空港をふらつくと突然ハルが
「中国臭いから早くネパールに行こう!」
と失礼なコメント。でも面白い、国ってそんなに気軽に移動できちゃう単位で捉えているわけ? 随所にあるレストランから漂う香辛料の匂いが苦手らしかった。俺としてはせっかくだからここらで四川激辛料理を腹を壊してでも食べたいのに願わず… 楽しみにしていた昆明トランジットがさみしい結果になった。

右側の窓際にして!とわざわざ昆明のカウンターで席を変えてもらったのが大当たり。ネパールに降下を始めるとヒマラヤの偉大な尾根が目線と平行して見えるではないか。

こうして息子と二人で向かう、20年ぶりのネパールはヒマラヤの旅が始まった。
8,000m峰は果たして見えるだろうか?


おまけ:ハルとこれまで二人旅で訪れた場所

  • ベトナム
  • カンボジア
  • ラオス
  • タイ
  • スリランカ
  • 飛騨高山
  • 郡上八幡
  • 白川郷
  • 金沢
  • 北信地方
  • 白山
  • 石垣島
  • 波照間島
  • 与那国
  • 沖縄本島
  • 座間味島
  • 小笠原諸島
  • 中国(今回)
  • ネパール(今回)

物心ついた3歳の頃から父子ふたり旅を続けているため、それが彼には普通となっているからなのか、「行くよー」に「いいよー」のふたつ返事でついてきてくれる。いつまで続くかな。

おまけ2:二人旅じゃないけど、ハルが行った場所。

  • ハワイ
  • スペイン
  • アンドラ
  • フランス
  • 旭川
  • 大雪山
  • 釧路湿原
  • 種差海岸
  • 弘前
  • 八戸
  • 奥入瀬渓谷
  • 酸ヶ湯
  • 白神山地
  • 山寺
  • 気仙沼
  • 大船渡
  • 陸前高田
  • 仙台
  • 福島
  • 日光
  • 京都
  • 小豆島
  • 直島
  • 松山
  • 神山
  • 徳島
  • 香川
  • 四万十川
  • 阿蘇
  • 九重
  • 別府温泉
  • 長崎
  • 天草
  • 向島
  • 小浜島
  • 粟島
  • 式根島
  • 神津島
  • 三宅島

書ききれないほど行ったな〜。そりゃハルも記憶がないはずだ・・・

One Reply to “ヒマラヤへ”

  1. 息子さんとの二人旅とても素敵ですね。
    僕には娘、息子がいますが、日帰り二人旅はありますが、宿泊ではないですね。小さいうちからして置けばよかったと、今更ながらおもいました。いつまでも続けられるといいですね

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