トップページ

 

 



 

22.理想国家コスタリカ
23.スーパーバス
24.ティカル遺跡とアンティグア
25.優柔不断なキロク
26.カリブ DE 28歳
27.日本人宿
28.クリスマスと大晦日

 

 

Central America >> 
23. Super 国際バス

 

中米入りしたのは12月3日。エクアドルのキトから、中米の最も南に位置するパナマという国に飛んだ。
今は12月の11日。僕らはもうメキシコ直下、中米最後の国、グアテマラにいる。最南端パナマから、コスタリカ、ニカラグア、ホンジュラス、エルサルバドル、そしてここグアテマラと、9日間で6カ国だ。
ちょっと飛ばしすぎ?上に挙げた国の何もわからないで終った。時間がない、しょうがない。
しかし心底もったいないことをしていると思う。
見所がパナマ運河しかないといわれているパナマ。そのパナマだって楽しかった。黒人系住民が多くて、ジャマイカからの出稼ぎの人も見かけた。陽気に話しかけてくるその黒人たち、僕は遥か遠いアフリカを想った。世界遺産に指定された旧市街も南米のそれとはまた違った美しさがあった。なによりもったいないと感じたのは、到着2日後にやっとバス停の場所と乗り方を覚えたときのこと。ホテルから市外へのバス停を見つけるのに2日もかかったのだからこの国を発見するにはいったい幾日かかるのだろうかと痛感した。

ニカラグアは首都にほんっと何もなかったり、エルサルバドルは逆に道路のかしこも露天で埋め尽くされ、どこかのアジアのワンシーンにいるみたいだったり、そしてここグアテマラは地方の小さい先住民の村に行ったら実に興味深そうなのに、それもできないで終わるだろう。何をそんなに急いでるかって?リミットは時間じゃない、お金だ。正真正銘玉切れだ。もう日本に帰らないといけない。

ちなみにこの国の間の移動はどうしてたかというと、すごいバスに乗ったのだ。それはパナマ発、メキシコ行き(コスタリカ−グアテマラ区間に乗車)。同じバスが7カ国もの国を跨いで走るのだ。そんなバス世界を探してもここくらいにしかないだろう。ヨーロッパなら可能性もあるが、あれはEUという、もう国境が無くなりつつある地域の話、別物だ。
コスタリカからここ、グアテマラまでの所要日数は3日。と言っても3日間バスに乗っているわけではない。国境の開いている時間の都合上、ニカラグアとエルサルバドルでそれぞれ宿泊することになる。それでも毎朝5時前に集合というなかなかの強行スケジュールだった。

まだ、中米に関してお子チャマな僕だが、そんな自分がこの短期間で感じたことを言えば、ここではもうラテンのリズムが聞こえてこないということだ。
旧スペイン植民地で、その影響を受け、スペインの大らかな心と、シエスタをしちゃうようなのんびりとした時間が流れ、人々がみんな陽気なのが、僕の想像するとこのラテンな国々。(実際にはラテンアメリカの旧宗主国のスペイン、ポルトガル、フランスの言語がラテン語から派生しているため、ラテンアメリカと呼ばれるようになった)
しかし、そのラテンのノリみたいなものをこの中米で感じることができないのだ。
パナマに飛行機で入国してから今日まで、感じたのは「アメリカみたいだな、ここ」ってこと。巨大なショッピングモール、螺旋のように回って繋がるハイウェイ、ガソリンスタンドに併設されたコンビニ、そしてたくさんのマクドナルド。ちなみにファーストフードはマクドナルドだけでなく、バーガーキングもピザハットもタコベルもある。それが南米のどの都市で見た数よりも多いのだ。
中米にはドールなどのアメリカの会社のプランテーション農場も多いと聞いた。外資系企業の数もアメリカがだんトツだろう。古くはスペイン文化の影響を強く受けてきたこの地域も、近代史ではアメリカによる影響のほうが強いのかもしれない。
それが、僕がここ中米をアメリカみたいだと感じる理由であり、ラテンのリズムが聞こえなくなってしまった原因だと思う。

最後に国境の賄賂について書いておこう。パナマからここグアテマラまで、越えた国境は5つ。なぜか中米には陸路なのに出国税と入国税を取る国が多い。その一部は賄賂だというのは有名な話だ。僕らも実際どれが正規オフィシャルでどれが賄賂だったのかは確信がもてない。以下、一応記してみるので、なんか違う情報があったら教えてください。

パナマ入国≫ 5ドル。ツーリストカード(ビザみたいな物)。紛れもないオフィシャル。
パナマ出国≫ 1ドル。1B(=1$)と書かれた変なシールを買わされる。拒否すると警察を呼ばれ逮捕するぞと脅される。
コスタリカ入国≫ なし
コスタリカ出国≫ なし
ニカラグア入国≫ 8ドル。ツーリストカード5ドル、入国税2ドル、変な印紙1ドル。おそらくオフィシャルだと思う。
ニカラグア出国≫ 4ドル。出国税としてとられ、レシートももらうが、おそらくオフィシャルは2ドル。後から出あった外国人旅行者は全て2ドルだった。
ホンジュラス入国≫ 2ドル。でもオフィシャルはたぶん20L。1$は17Lなので14L余分に取られ、それは係官のポケットに入っただろう。
ホンジュラス出国≫ なし
エルサルバドル入国≫ なし、かなりきちんとした係りだった。
エルサルバドル出国≫ なし
グアテマラ入国≫ なし。でも人によっては4ドル取られていた、すなわち賄賂。
グアテマラ出国≫ なしのはず。でも国際バスに乗ると乗務員が税金だと嘘をついて2ドルくらい請求してくるという。

グアテマラ出国の例のように、場合によっては国際バスが実は係官より曲者かもしれない。僕らが乗った国際バス最大手ティカバスを例に取ってみる。このバスには国境通過を円滑に済ませるために、それ専用の係りが乗っていた。彼が国境で全員のパスポートと税金を回収し手続きを済ませてくれるのだ。
一日目、彼は僕らに税金として8ドルを請求してきた。僕は彼を疑い、自分で降りて手続きをすることにした。税金は同じく8ドルだった。彼は嘘をついていなかった。
2日目、違う係りがまた8ドル請求してきた。今度も降りて、自分で手続きをした。6ドルだった。すなわち2ドルは彼の懐へと消えたのだ。15人以上の外国人が乗っていたから、その日の彼の儲けは30ドル、悪くない。ちなみに、全く同じ路線でこのバスを使った人に話を聞くと、同じ国境を通っているのにバスの係りに払った金額がそれぞれ違うのだ。多い分は全て係りのポケットマネーということ。けしからん。
もっとたちの悪い話もある。それはこの係りが入国審査官とグルになっている場合。この際、国境に着く前に係りが国境では税金をいくら払ってくださいとアナウンスする。実際にお金を受け取るのは入国審査官だが、もちろんここでは税金など存在せず、儲けはバスの係りと山分け。
ほんっと賄賂だけは反対だ。それがたとえ1ドルというはした金であろうと、僕は断固として払いたくないのでる。
賄賂よ、なくなれ!賄賂を取るな!賄賂反対―!
てやんでぇ 

 

▲top


All text and images © 2007 tabibum . All rights reserved