アレックス・カーとちいおり

四国トリップ Day5

始発のフェリーで直島を発つ。平日なので高校生がたくさん乗っていた。島には高校がないのかな?フェリーで都会(高松)に通うなんてドラマがありそうだな。そういえば、直島はアートがメイン産業の島なのかとてっきり勘違いしていたのだけど、バスのドライバーさんの話によると、三菱重工の工場があって3,000人も住んでいるのだとか。岡山側から毎日船で出勤されている方々も多数いるらしく、裕福な人が多い島だとのことだった。

予想外にとても良かったアートな旅。たまにはいいなあ、としみじみと思う。いつか違う島にも行ってみたいと思う。

高松に上陸し、高速を一路西へ。悔いが残ったうどんを食べに、善通寺で下りる。そして宮川製麺所へ。ここはいわゆる製麺所で、食べるのはメインではないお店。いわゆるセルフのお店で自分でお椀からうどん、トッピングまですべて取るのだが、雰囲気が非常に良かった。イメージの中の讃岐うどんがまさにここ。場所効果もあるのか、人生で一番美味しいうどんだった。
調子に乗って違う場所へとはしごしたのだけど、そこはチェーン店というのもあってかイマイチであった。

うどんに満足し、向かうは南西。アレックス・カーが『美しき日本の残像』で桃源郷と書いていたちいおりへ。ここも数年間来たかった場所。
吉野川を南下する。ここは日本を自転車で回っているときに通った場所。もう10年くらい前。最近時間の感覚が変だ。吉野川はとても美しかった。

峠を越えて、祖谷に入り、そしてさらに先の奥祖谷へ。
ここにアレックスカーのちいおりがあるのだけど、残念ながら全面改修中だった。何もないから桃源郷だったのかもしれないけれど、本当に何もないこの地に、彼が古民家を見つけ、その古民家を目的地として数多くのバックパッカーが訪れに来ていたなんて信じがたい。そんな場所であった。

雪深い場所でもないだろうに。まるで新潟で見るような急なトタン屋根の家々ばかり。後で気がついたのだけど、トタン屋根にしたのは比較的近代になってからで、以前までは全部茅葺きの家だったのではないだろうか。もう茅のメンテナンスができなくなってトタンに変えたのではないかと思ってしまった。

いったいぜんたい、なんでここだったんだろう、という疑問が尽きない。
外から立ち寄っただけでは、ここだけにしかない、ここだけでしか見えないような、光る特別な何かを感じることはできなかった。とてもとても美しい場所だとは思うのだけれど。

しかし、来たいと思い続けていた場所に来れたのは、とても良い。
気がつくと夕方になっていたので、急いで高速を走り元来た道を戻り、ジャンクションを西に本日の宿泊地となる松山へと向かった。

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