息子入院する

息子のハルは8歳になった。
病気が治ったら病気だったことなんてきっと忘れてしまうかもしれない、という将来への備忘録。

相変わらず小学3年生なのに、「パパ、そろそろ一緒に寝るよ。」とか言ってくる。
やれやれと思いながらも、そんなこともう言わなくなるのかなと貴重な最後の時間を楽しんでいる。実際ひとりで寝てくれることも増えてきた。
可愛くてしょうがなくてぎゅっと抱きしめ頭をナデナデしていた時期は過ぎ、成長して顔も少年ぽくなってくるとこちらも無条件な可愛がり欲求がなくなってくるから不思議なものだ。こうやって親離れ、子離れしてくんだろうな。

娘を見ているとよく分かるのだが、3歳を境にトイレで用をたせるようになって..... Read the rest

富士山 バックカントリー スノーボード 2019

5月11日。今年も滑り納めにと富士山に行ってきた。

数年前に山頂から噴火口に降りたのだけれど、その特別感が忘れられず、今回は最初から噴火口目的で向かう。

6:00に富士宮口を出発し、山頂までは5時間ほど。11:00に着いたのでちょうどいい緩みっぷりでだった。
噴火口への気持ちの良い数ターン。火口のボトムは標高が3,535mと、お鉢までは150mほど高度差がある。この時期しかきっと降りれない場所。かつて富士山を創造したその場所から眺める巨大な壁はやはり格別だった。

山頂に登り返してからは南斜面を滑る。例年、雪の上にはまきびしのようなスコリアが乗っていて、板がずたずたになるのだが、数日前に雪が降ったのか、..... Read the rest

アフリカの月の山 ルウェンゾリ 04

5年前の南米最高峰

ハラペコ探検隊というふざけた名前ではじめて旅に出たのはちょうど5年前だった。音楽会社に務めている友人が名づけてくれたこの名は、いつも何かに「ハングリー」っぽくていいし、何よりアルファベットのHola Picoとすればスペイン語で「ハロー山頂!」となるのが、これから目指すラテンの山ともマッチして、とても気に入ったところだった。

しかし、ハローと言いたかった南米最高峰6,962mのアコンカグアへの旅は、山頂を踏むことができない敗退の旅となった。天候不順の中、高所キャンプ地で3泊粘るも、最終日も天気が回復せずに暴風に煽られてタイムアップ。みんな無事に下山できたものの、悔しくてホテルで号..... Read the rest

アフリカの月の山 ルウェンゾリ 03

何かを犠牲にしてでも見るべき光景

ガイドが言っていたことは間違っていなかった。
「毎日が美しい、そして進めば進むほど、さらに美しくなっていくだろう。」
たとえ何かを犠牲にしてでも見るべき光景だと心から思った。言いすぎかもしれないが、毎日毎時間そう思った。

(C) Rwenzori Trekking Services
https://www.rwenzoritrekking.com

12月27日、入山2日目。
朝起きると東から昇った太陽がエドワード湖を赤く照らした。
ヘダゾーンの中を進むと左手には巨大な溪谷が現れ、その先には3,800mのRwatamangufa (ルワタマグファ、現地語で折れた骨という意味)とその上に..... Read the rest

アフリカの月の山 ルウェンゾリ 02

トレイルヘッドの村キレンベ

国境の町カセセから15キロほど坂道を登ったところにあるキレンべという村が今回の登山のトレイルヘッドだった。ウガンダ側のルウェンゾリ山にはルートが二つある。一つは昔からあるサーキットルート、もう一つが今回登るルートで、10年前に切り開かれ、この村の名前がつけられているキレンべルートである。

村にはガイドをお願いしている「Rwenzori Trekking Service」がバックパッカー宿を所有していて、お世話になることになった。実は弘樹は日本出発時に高熱を出して寝込んでいて、強引に連れてきたものの無理がたたってたいそう辛そうであった。なので、ここで二泊の休養をとることにした..... Read the rest